『非上場株式27講 ― 売れない株の教科書 ―』【第6講】
その株、本当にあなたのものですか
― 名義株の類型論・立証構造・解消実務と株主権確認訴訟の全景 ―
株主名簿上の株主と、実質上の引受人が食い違っている株式――名義株。平成2年商法改正前の「発起人7名要件」の時代に設立された中小企業には、高い確率でこの時限爆弾が眠っています。本稿は、実務で「名義株」と一括りに呼ばれている現象を4つの法類型に分解し、類型ごとの主張立証の構造、立証上の難点(コクド事件の教訓を含む)、株主権確認訴訟の手続選択、そして税務と交差する解消実務までを、判例・裁判例に即して徹底的に整理する完全保存版です。
この講の結論
名義株をめぐる争いでは、株主名簿の名義ではなく実質上の引受人が株主になります(最判昭和42年11月17日)。しかし、この実質説は「名義借りの合意と出資の実体」が認定できた場合の結論を述べているにすぎず、実際の紛争はその事実の存否をめぐって争われます。争いの構造は、名義と実質のずれが引受け時に生じたのか(名義借り・冒用)、贈与や譲渡の外形の後に生じたのか(承継取得の実体欠缺)、単に名義書換が未了なのかで、要件事実も証拠も請求の構成も変わります。
立証の最大の敵は時間です。取得資金の出所を示す客観証拠は年々失われ、名義人が株主として振る舞ってきた外形は名義株の主張を弱めます。名義借りを直接知る世代が存命のうちに、確認書と名簿・別表二の訂正で解消しておくこと。それができなかった場合には、対内的な帰属の確認、株主名簿の是正(原始取得なら会社法132条、承継取得なら133条)、譲渡制限株式の承認問題までを一続きの手続として設計することが、本講の結論です。
序 ― 昭和の設立が残した時限爆弾
平成2年商法改正(平成3年施行)前、株式会社の設立には発起人7名が必要でした。しかも発起人は最低1株を引き受けなければならなかったため、創業者が出資金の全額を用意し、親族・知人・従業員から「名前だけ」を借りて頭数を揃える――そんな設立が、この国の中小企業では当たり前に行われてきました。
名義株は平時には眠っています。しかし、①創業者の相続、②M&A・事業承継のデューデリジェンス、③会社支配権紛争の勃発――このいずれかの局面で必ず目を覚まします。設立から30年、50年が経過し、名義人の相続が2代進んでいることも珍しくありません。「名簿に載っている以上、私は株主だ」と名義人の相続人が主張し始めたとき、名義借りの経緯を直接知る者は、もう誰もいないのです。
1総論 ―「名義株」は単一の概念ではない
1-1 判例の基本枠組み ― 実質説(最判昭和42年11月17日)
出発点は、最高裁昭和42年11月17日判決(民集21巻9号2448頁)です。同判決は、他人の承諾を得てその名義を用い株式を引き受けた場合には、名義人(名義貸与者)ではなく実質上の引受人(名義借用者)が株主となると判示しました(実質説)。株主の認定は一般私法上の法律行為と同じく、真に契約当事者として申込みをした者が権利を取得するという理屈であり、株主名簿の記載は真実の権利帰属を決めない、というのが確立した判例法理です。
この法理は株式会社にとどまりません。特例有限会社(旧有限会社)についても、近時の裁判例は、他人の承諾のもとにその名義を用いて出資払込みをした場合には名義貸与人ではなく実質上の出資払込人が社員となると判示しており(大阪高判平成29年12月21日金判1549号42頁。従前は原始定款記載者への帰属を認めた裁判例〔福岡高裁宮崎支判昭和60年10月31日判タ591号73頁〕もありましたが)、株式会社と同様の処理が定着しつつあります。
1-2 しかし「実質説」は紛争を解決しない
注意すべきは、実質説は「名義借りの合意+出捐の実体」が認定できた場合の帰結を述べているにすぎない、ということです。実務で争われるのは、まさにその認定――「本当に名義借りだったのか、それとも贈与だったのか、そもそも名義人自身の出資だったのか」という事実の存否です。そして、この事実認定の構造は、名義と実質の乖離がいつ・どのように生じたかによって全く異なります。
1-3 4類型の見取り図
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| 類型 | 乖離の発生場面 | 法律構成上の争点 | 準拠すべき法理 |
|---|---|---|---|
| Ⅰ 引受け時名義借り型 (狭義の名義株) |
設立・増資時の株式引受け(原始取得) | 名義使用の合意と出捐の実体の存否 | 最判昭42.11.17(実質説) |
| Ⅱ 名義冒用型 | 同上(ただし名義人の承諾なし) | 冒用の事実の存否 | 実質説の準用(通説) |
| Ⅲ 承継取得実体欠缺型 | 贈与・譲渡の外形はあるが実体を欠く | 贈与(譲渡)契約の成否・効力 | 契約法・民法94条 |
| Ⅳ 名義書換未了型 | 有効な譲渡後、名簿書換だけが未了 | 譲渡の事実と対抗要件 | 会社法130条 |
図表1:実務上「名義株」と呼ばれる現象の4類型
図解A:名義株4類型の判定フローチャート ― 「乖離がいつ生じたか」で入口を判定する
この4つを混同すると、要件事実の組み立てを誤り、立証の的を外します。特に、類型Ⅲ(贈与か名義借りかが争われる型)に類型Ⅰの「実質株主判断の7要素」を機械的に持ち込む主張書面を時折見かけますが、類型Ⅲの本体は法律行為の成否であって、昭和42年最判の射程は直接には及びません。
2類型各論 ― 主張立証のポイントと難点
2-1 類型Ⅰ:引受け時名義借り型(狭義の名義株)
【典型例】昭和55年設立の会社。創業者が資本金300万円全額を用意し、妻の弟・従業員・取引先社長ら6名から名前を借りて発起人7名を揃えた。名簿上、6名がそれぞれ数株ずつ保有する形になっている。
(1) 要件事実の構造
実質株主であることを主張する側(通常はオーナー側・会社側)が、(i) 引受け・払込みの実体(出捐)と(ii) 名義使用の合意の2点を主張立証します。
(2) 総合判断の7要素 ― その正確な位置づけ
裁判実務では、実質上の株主の認定にあたり次の要素を総合考慮するのが確立した枠組みです。東京地裁商事部が公表する株主権確認訴訟の記載例にも、昭和42年最判を引用した上で概ね次の①~⑦の要素が挙げられています。
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| # | 考慮要素 | 立証に使う典型的証拠 |
|---|---|---|
| ① | 株式取得資金の拠出者(最重要) | 払込金保管証明書、双方の預金取引履歴、名義人の当時の資力 |
| ② | 名義貸与者と名義借用者との関係・合意の内容 | 念書・覚書、名義貸し料(謝礼)の授受記録、親族関係・雇用関係の資料、当事者供述 |
| ③ | 株式取得の目的 | 設立年(発起人7名要件の時代か)、名義分散の動機 |
| ④ | 取得後の配当・新株等の帰属状況 | 配当支払調書、振込先口座、名義人の確定申告書 |
| ⑤ | 名義貸与者・借用者と会社との関係 | 招集通知の宛先・発送記録、役員就任・経営関与の実態 |
| ⑥ | 名義借りの理由の合理性 | 設立時期(平成2年改正〔平成3年4月1日施行〕前か)、名義人側の欠格事由等の事情。施行後の設立では名義株認定に相当の根拠が必要との逆推認が働く |
| ⑦ | 株主総会における議決権行使の状況 | 総会議事録、委任状、出席の事実 |
図表2:実質株主の認定における7つの考慮要素と対応証拠
実務家として押さえるべき点が3つあります。第1に、7要素は最判自体が示した基準ではありません。昭和42年最判は実質説という帰結を述べたにとどまり、7要素は下級審実務(東京地判昭和57年3月30日判タ471号220頁等)が積み上げた定式です。要件事実的に正確に言えば、7要素は上記(i)(ii)を推認させる間接事実群であり、「何個満たすか」の足し算で決まるものではありません。
第2に、出捐偏重は危険です。取得資金の拠出者を重視した裁判例(東京地判平成27年2月18日判時2267号114頁)がある一方、出捐は一要素にすぎず名義使用に関する契約の解釈こそが重要だとする立場も有力です。「金は出したが、それは名義人への貸付(または贈与)だった」という反論は常にあり得ます。
第3に、⑥の「時代背景」は意外に効きます。平成2年改正前の設立で、名義人数がちょうど7名前後、名義人がいずれも創業者の親族・従業員で当時引き受ける資力も動機もなかった――この定型的ストーリーが揃うと、経験則による推認が強く働きます。逆に平成2年改正後の設立では、「なぜ名義を借りる必要があったのか」の具体的説明がないと推認の土台が崩れます。
(3) 立証上の難点 ― コクド事件の教訓
この類型の最大の敵は時間です。直接証拠を欠く状況で間接事実の積み上げによる立証がどこまで通用するかを示したのが、西武グループのコクド事件(東京地判平成23年7月7日判時2123号134頁、東京高判平成24年12月12日判時2182号140頁)です。
創業者の子が、事実上の持株会社の株式の大半は創業者の借用名義株であったと主張し、一連の組織再編に係る株主総会決議の不存在確認等を求めた事案で、裁判所は、創業者による権利取得原因事実が認められないことを確認した上、原告の主張する様々な間接事実を総合しても経験則上株主権の存在を推定するにはなお十分でないとして名義株性を否定しました(原告適格の否定)。第一審は、創業者は一族が個人で株式を持つことに否定的であった上、名義人である役員らが現実に株主権を行使していた事実を指摘し、創業者は名義を借りたのではなく「支配可能な株主を介して間接的に事業を支配した」と見るのが合理的と判断しています。
コクド事件から得られる実務上の教訓
- 直接証拠を欠く場合の事実上の権利推定(間接事実からの経験則上の推認)のハードルは相当高い
- 名義人が現実に議決権を行使し株主として振る舞っていた事実は、名義株主張への強力な反対間接事実になる
- 「オーナーが会社を支配していた」ことの立証は「株式を保有していた」ことの立証と同じではない。名義人を意のままに動かせる関係は、名義借りとも株主たる名義人の掌握とも説明できる両刃の剣
同族会社ではさらに、配当も議決権行使も家計・経営の中で混然一体となり、④⑦の要素が識別力を失うという構造的問題があります。無配当会社では④はそもそも機能しません。だからこそ、①出捐と⑥合理性という「設立当時の事実」の掘り起こしが勝負になるのです。
(4) 続・コクドの教訓 ― 「被相続人の主観」と「取得原因事実」の切り分け(東京高判平成24年2月8日)
コクド関連紛争には民事の第二ラウンドがあります。創業者の相続人らが、第三者名義となっていた株式は創業者の遺産(名義株)であるとして争った事案で、東京高裁は、名義株として遺産性を認めるには被相続人が自己資金で取得したことの立証が必要であるとの枠組みの下、創業者個人の資金で購入されたことの証明がないとして請求を退けました(東京高判平成24年2月8日。コクド関連の遺産確認請求事件)。
この判決の実務的価値は、「被相続人の主観」と「取得原因事実」の切り分けを明快に示した点にあります。創業者が生前「あれは全部自分の株だ」と認識し、株の買集めを指示し、名義人たちを事実上支配していた――そうした主観と支配の事実をいくら積み上げても、それだけでは足りません。裁判所が求めるのは、誰の財布から取得資金が出たかという客観的な取得原因事実です。遺産確認・株主権確認のいずれでも、名義株(遺産)を主張する側がこの取得原因事実の立証責任を負う以上、「父はいつも自分の会社だと言っていた」という遺族の記憶は、預金取引履歴・払込資料という客観証拠の代わりにはならないのです。逆に名義人側(防御側)から見れば、相手方の主張が被相続人の主観・言動の立証に終始し、資金の出所の立証を欠いていれば、そこが決定的な防御線になります。
2-2 類型Ⅱ:名義冒用型(承諾なき名義使用)
昭和42年最判は「他人の承諾を得て」の事案ですから、承諾なき冒用は厳密にはその射程外です。しかし、冒用された名義人には引受けの意思も出捐もない以上株主にならないことは同様で、引受けの意思と出捐を有する冒用者に帰属させる処理が通説的理解です。
立証面では、名義人側の「関与ゼロ」――押印した記憶がない、書類を保持していない、当時引き受ける資力がない、会社から一度も通知を受けたことがない――という消極的事実の積み重ねがそのまま冒用の推認につながるため、類型Ⅰより実質株主側の負担は軽いのが通常です。他方、会社が長年名義人を株主として扱い招集通知を送付し続けてきた場合の外形との整合が、この類型特有の問題になります。
2-3 類型Ⅲ:承継取得実体欠缺型 ―「名義株」の名を借りた契約成否の問題
いったん真実の株主であった者(典型は創業者)からの承継取得(法律行為)の成否が争点となる型です。厳密には「名義株」ではありませんが、実務上この名で最も頻繁に紛争化します。しかも、要件事実の構造が異なる2つの下位類型に分かれます。
(1) Ⅲ-a:契約不成立型
贈与の外形(名簿書換・別表2の変更等)はあるが、そもそも贈与の意思表示の合致がない型(例:創業者が相続税対策として子への「贈与」の形で名簿を書き換えたが、子は贈与を受けた認識すらない)。「贈与があった」と主張する側(通常は名義人側)が贈与契約の成立を立証し、「名義にすぎない」側はこれを否認すれば足ります。贈与契約書の有無、贈与税申告の有無、受贈者の認識、譲渡制限株式の場合の譲渡承認手続の有無、名簿書換後の配当受領・議決権行使の実態が決め手です。名義人に受贈の認識がなく贈与税申告もなければ、贈与不成立方向に強く傾くのが実務です。
(2) Ⅲ-b:通謀虚偽表示型
双方了解の上で贈与を仮装した型。Ⅲ-aとの決定的な違いは、贈与の意思表示の外形が双方の関与の下に存在することです。したがって「名義にすぎない」側が民法94条1項の通謀虚偽表示を抗弁として主張立証する構造になり、Ⅲ-aとは攻防の位置が逆転します。さらに、仮装された外観を信頼した第三者(譲受人・担保権者等)が現れると94条2項が絡み、実質株主側は無効を対抗できなくなるリスクを負います。
(3) 類型Ⅲに共通する「双方向リスク」の構造
この類型の最大の特徴は、どちらの側に立っても自己矛盾リスクを抱えることです。「名義にすぎない」側は、自ら(または被承継人が)作出した外形――贈与税申告、名簿書換、別表2の変更――を自己否定する主張となり、禁反言的な逆風を受けます。特に贈与税を現に納付済みなら「仮装のために納税までしたのか」という経験則上の疑問に答えねばなりません。逆に「有効な贈与」側は、移転後も先代が配当を取り続け総会も仕切っていたという同族会社にありがちな外形を、「贈与は有効だが経営は父に任せていた」と合理的に説明する負担を負います。
【近時の裁判例】贈与のタイミングと書簡が決め手となった例(大阪地裁→大阪高裁)
創業者から子への株式贈与が「名義株(贈与の実体なし)」か「真の贈与」かが争われた近時の事案で、大阪高裁は地裁の判断を是認して真の贈与と認定しました。決め手とされたのは、①株式の贈与が会社が赤字を出した時期に行われていたこと(株価が下がった時期の移転として税務上合理的なタイミングであり、真に移転する意思と整合する)、②創業者が名義人に宛てた手紙に「株主として行動するよう求める」旨の記載があったこと(名義だけ貸したのなら書くはずのない文言)です。移転の時期の経済的合理性と、当事者間の書簡・文書という「作為なき同時代証拠」が帰趨を決める――時系列表と書証の収集がいかに重要かを示す好例です。
近時の裁判例は、株式移転のタイミングとその理由、当事者の関係性の変化(認知・養子縁組・後継者指名・関係悪化の時期等)を時系列で精査し、双方の言い分に整合する事情の質と量を比較して認定しています。なお税務の世界では、贈与契約書と贈与税申告が揃っていてもそれだけでは受贈者が真の株主であることの証明にならないとされ、譲渡承認手続の形跡がないこと、別表2に贈与がなかったとした場合の株式数が記載され続けていることなどから贈与の不存在が認定された例もあります。「契約書+申告+名簿書換+別表2+承認議事録+その後の権利行使」のフルセットが揃って初めて、承継取得は盤石になります。
2-4 類型Ⅳ:名義書換未了型 ― 名義株と混同されやすい別物
譲渡自体は有効で、名簿だけが旧名義のまま残る型(いわゆる失念株を含む)。外形は「名義と実質の乖離」ですが、争点は譲渡の事実と対抗要件(会社法130条)であり、名義借りの合意を観念する余地がありません。M&Aのデューデリジェンスで「名義株がある」と指摘される案件の相当部分は、実はこの型です。処理も全く異なり、譲渡の事実が明らかなら名義書換請求(会社法133条)で足り、会社が応じなければ名義書換請求訴訟を提起します。「名義株です」というご相談の相当部分は、精査すると類型Ⅳ――これが当事務所の経験です。初動の類型判定を誤ると、証拠収集の方向を丸ごと間違えます。
3二層構造 ―「帰属で勝っても行使で詰まる」問題
見落とされがちな決定的視点があります。実質説が直接決めるのは名義人・実質株主間(対内関係)の帰属であって、会社に対する権利行使(対会社関係)は別問題だ、ということです。対会社関係は次の3つの法理が規律します。
- 株主名簿の免責的効力:会社は名簿上の株主を株主として扱えば、悪意・重過失がない限り免責されるのが原則。実質株主が確定判決なしに「私が真の株主だ」と主張しても、会社は名簿記載を盾に権利行使を拒めます。
- 株券占有の権利推定(会社法131条1項):株券発行会社では株券の占有者が適法な権利者と推定されます。名義株紛争において株券が誰の手元にあるかは、それ自体が強力な間接事実であると同時に、対会社関係の処理を左右します。
- 信義則による対抗制限:学説には、名義借用者・貸与者は自ら名義人が引受人であるとの外観を作出した以上、名義貸しについて善意の発行会社に対しては、信義則上、名義以外の者が実質的に引き受けた旨を対抗できず、発行会社の側で名義人を引受人として選択できるとする見解があります(田中亘『会社法』の整理として、島田志帆「原始株主の記載に係る株主名簿の効力」立命館法学2021年4号参照)。また、発行会社が名義人を株主と認めた場合、実質株主は名義書換(130条)を経なければ会社に対抗できず、譲渡制限株式であれば会社の承認(136条以下)まで必要になるとの整理もあります。裁判例がこの見解をどこまで採るかは固まっていませんが、対会社関係が対内関係と別に規律されることは意識しておく必要があります。
図解B:二層構造と三段ハードル ― 権利行使までを最初からワンセットで設計する
つまり名義株紛争は「①対内的帰属の確定 → ②名簿書換の実現 → ③(譲渡制限株式なら)承認問題の処理」という三段のハードルを意識して設計する必要があります。株主権確認の勝訴判決を取っただけでは、会社が名簿書換に応じない限り総会で議決権を行使できない、という事態は現実に起こります。
4証拠論 ― 何を、どこから、いつまでに集めるか
4-1 証拠カタログ(4系統)
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| 系統 | 証拠 | 立証命題との対応 |
|---|---|---|
| 会社資料 | 原始定款・設立登記事項証明書 | 設立年(7名要件の時代か)、当初の名義配置【⑥】 |
| 株主名簿・株主名簿記載事項証明書 | 名義の変遷 | |
| 株主総会議事録・招集通知の控え・委任状 | 議決権行使の主体、通知の宛先【⑤⑦】 | |
| 譲渡承認に係る取締役会・株主総会議事録 | 承継取得の手続履践(類型Ⅲ) | |
| 株券の現物・保管状況 | 権利推定(131条)、管理支配 | |
| 税務資料 | 法人税申告書別表2(同族会社等の判定に関する明細書) | 税務上誰を株主として扱ってきたか(数十年分の連続性) |
| 配当の支払調書・源泉徴収関係書類 | 配当の帰属【④】 | |
| 名義人・実質株主の確定申告書 | 配当の申告主体、自己財産としての認識 | |
| 贈与税申告書・贈与契約書 | 承継取得の成否(類型Ⅲ) | |
| 金融資料 | 払込金保管証明書、設立当時の預金通帳・取引履歴 | 出捐【①】 |
| 配当金の振込先口座の取引履歴 | 配当の実質的帰属【④】 | |
| 当事者 | 名義借りの念書・覚書・書簡 | 合意内容【②】 |
| 名義人の当時の収入・資産状況(源泉徴収票等) | 引受け資力の欠如【①の裏付け】 |
図表3:名義株紛争の証拠カタログ(【】内は図表2の要素番号に対応)
4-2 証拠収集の時間的制約 ―「取れるうちに取る」
預金取引履歴は金融機関の保存期間(通常10年)を超えると取得不能になります。設立時の出捐の直接立証は、多くの事案で既に手遅れです。だからこそ間接事実(名義人の資力欠如・時代背景・その後の権利行使状況)の厚みが勝負になります。別表2は税理士の関与の下で毎期作成される資料であり、数十年分を並べて「名義の連続性」または「不自然な変動」を可視化するのが基本動作です。相続が絡む場合、被相続人の確定申告書の閲覧(申告書等閲覧サービス)には相続人全員の関与が必要となる運用のため、対立相続人がいると使えません。単独で取得できる資料を先行させます。
4-3 立証の難点・総覧
- 時間の経過:直接証拠の散逸、当事者の死亡・認知症。名義株紛争は「証拠の風化との競争」です。
- 無配当会社の要素④の空転:中小企業の多くは無配当であり、「配当を誰が受けたか」という有力な指標が使えません。
- 同族会社の混然一体性:家族名義人が総会に同席し議事録に押印していれば、⑦の議決権行使の主体は外形上判別不能になります。
- 税務申告とのダブルバインド:相続税調査で「各名義人の株式だ」と主張して課税を免れた後、民事で「名義株だった」と主張する(またはその逆)と、過去の申告内容が弾劾証拠として跳ね返ります。税務での主張と民事での主張は、最初から一貫させて設計しなければなりません。
- 間接事実推認のハードル:コクド事件が示すとおり、状況証拠の山を積んでも「経験則上権利を推定するにはなお十分でない」と判断されるリスクは常にあります。
5手続選択 ― どの訴訟で、誰を相手に戦うか
5-1 株主権確認訴訟
株主権の帰属を既判力をもって確定する基本手段です。総会決議取消訴訟等の中で帰属が争われても判決理由中の判断にすぎず既判力を生じないため、帰属それ自体を訴訟物とする確認訴訟に固有の意義があります。
被告の選択は、①名義人(その相続人)が権利主張している場合は名義人を、②会社が権利行使を拒んでいる場合は会社を、③両者が争っている場合は双方を共同被告にします。前述の二層構造のとおり、名義人に対する確認判決だけでは会社を拘束できないため、会社に対する権利行使まで見据えるなら、会社を被告に加えた上で株主名簿の名義書換請求(記載請求)を併合しておくのが定石です(株券発行会社では株券引渡請求の併合も検討)。確定判決があれば、名義人との共同申請(会社法133条2項)によらず単独で名義書換を請求できます(会社法施行規則22条1項1号)。ただし、この133条ルートが妥当するのは承継取得の場面であり、名義株の中核類型では請求の法的構成そのものが異なります。次節で述べます。
5-2 名簿是正の法的構成 ― 会社法132条か、133条か
見落とされがちですが、実務上の失敗が現に起きているのがこの論点です。会社法133条が名義書換請求権を与えているのは「株式を当該株式会社以外の者から取得した者(株式取得者)」、すなわち承継取得者です。ところが、類型Ⅰ・Ⅱ(引受け時名義借り型・名義冒用型)の実質株主は、誰かから株式を「取得」したのではなく、設立・新株発行の時点で最初から株主(原始株主)だったのですから、そもそも133条の「株式取得者」に当たりません。名義人からの承継を観念しない実質説の帰結を、請求の構成まで貫く必要があるのです。
この点を正面から判示したのが、東京高判令和元年11月20日(金判1584号26頁)です。同判決は、設立や新株発行時に発行される株式を引き受けて原始株主となる者は、会社法133条ではなく同法132条1項の規定により、株式会社に対して株主名簿記載事項の記載を請求することができ、この場合は133条と異なり単独で請求できると判示しました。132条1項は本来「会社は株式を発行した場合等に名簿記載をしなければならない」という会社の義務を定めた規定ですが、同判決はこれを原始株主の側からの記載請求権の根拠と解したものです。実際、この事件の原審は133条1項に基づく名義書換請求を認容していたところ、控訴審でその構成が失当とされ、原告側は株主権確認請求を追加した上で132条1項に基づく株主名簿記載請求へと訴えを交換的に変更して、ようやく全部認容に至っています。構成を誤れば、勝てる事件でも回り道を強いられるということです。
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| 類型 | 取得の性質 | 名簿是正の根拠条文 | 請求の方式 |
|---|---|---|---|
| 類型Ⅰ・Ⅱ(引受け時名義借り・冒用) | 原始取得(最初から株主) | 会社法132条1項に基づく株主名簿記載請求 | 単独請求可(東京高判令和元年11月20日)。株主権確認請求と併合するのが定石 |
| 類型Ⅲ・Ⅳ(贈与・譲渡による承継、名義書換未了) | 承継取得 | 会社法133条1項に基づく名義書換請求 | 名簿上の株主(その一般承継人)との共同請求が原則(同条2項)。確定判決・和解調書等があれば単独請求可(施行規則22条1項)。譲渡制限株式の譲渡による取得では、原則として譲渡承認が必要(134条。ただし、相続その他の一般承継等を除く。) |
図表4:名簿是正の請求構成 ― 原始取得か承継取得かで条文が分かれる
図解C:名簿是正の請求構成 ― 原始取得か承継取得かで根拠条文が分かれる
訴状起案の実務では、①請求の趣旨を「被告会社は、原告が本件株式○株の株主である旨を株主名簿に記載せよ」(132条構成)とするか「名義書換手続をせよ」(133条構成)とするかを類型判定と連動させること、②予備的に他方の構成も維持しておくこと、③そもそも株主名簿が作成されていない中小企業も多いため(その場合133条の「記載の変更」は観念しにくく、132条構成の実益がさらに大きい)、名簿の存否自体を訴え提起前に確認しておくこと、の3点を押さえてください。
5-3 遺産確認の訴えとの使い分け
名義株が被相続人の遺産に属するかが相続人間で争われる場合は、遺産確認の訴えを用います。遺産分割調停・審判の中で家庭裁判所が帰属を判断しても既判力は生じない(最大決昭和41年3月2日)ため、争いがある以上、地方裁判所で確定させてから分割手続に進むのが筋です。相続税申告で名義株を被相続人財産として計上したことは、民事の帰属判断を当然には拘束しません。
5-4 相続との交錯 ― 準共有・権利行使者
名義株の実質株主(または名義人)に相続が発生すると、株式は遺産分割まで相続人の準共有となり、会社に対する権利行使には権利行使者の指定・通知(会社法106条)が必要になります(詳細は第16講)。コクド事件でも権利行使者指定の有効性が組織再編の効力と絡んで争われました。名義株×相続×準共有の三重奏は、非上場株式紛争の最難関ゾーンです。
5-5 名義人側の防御 ― 時効取得の限界
名義人側から株主権の時効取得(民法163条)が主張されることがあります。下級審裁判例上、株主権については民法163条による時効取得の余地が認められていますが、確立した法理とまでいえるかには議論があります。いずれにしても、自己のためにする意思をもって、平穏かつ公然に株主権を継続的に行使していることが必要であり、名義株の典型事案(名義人は何もしていない)では機能しません。なお税務上は、名義株は「そもそも贈与が存在しない」ため除斥期間の経過によって名義人の財産になることもない、と整理されています。時の経過は名義人を株主にしないが、実質株主の立証を殺す――これが名義株における時間の非対称な残酷さです。
6解消の実務 ― 平時にしかできないこと
6-1 解消の三段構え+α
- 確認書方式:名義人(またはその相続人)から名義株であることの確認書を取得し、名簿・別表2を訂正する
- 買取り方式:確認が得られない場合、株式譲渡の形式で買い取る(いわゆるハンコ代の支払いを含む)
- 訴訟方式:争いになれば株主権確認訴訟+名義書換請求で決着させる
このほか、名義人と連絡が取れない場合には所在不明株主の株式売却制度(会社法197条。通知・催告の5年以上の不到達+5年間の配当不受領が要件)、名義人の相続発生時には相続人等に対する売渡請求(定款規定が前提。第17講)、比率次第ではスクイーズアウト(第14講)も選択肢に入ります。
6-2 確認書の作成 ― 記載事項が生命線
確認書は「名義株であることを確認します」の一文では足りません。後日の民事紛争と税務調査の両方に耐えるよう、実質株主の判断要素に対応する事実を具体的に盛り込みます。
確認書に盛り込むべき5項目
- 出捐の事実:払込金は実質株主が全額拠出し、名義人は何ら出捐していないこと【①】
- 名義貸借の経緯:当時の両者の関係と、名義使用の合意があったこと【②】
- 名義借りの理由:設立時の発起人数要件を満たすため等、当時の合理的理由【⑥】
- 権利行使の不存在:名義人は配当を受領したことも議決権を行使したこともないこと【④⑦】
- 名義書換への同意:実質株主への名簿訂正に同意すること
押印は実印+印鑑証明書添付が原則。名義人が死亡している場合は、後日の紛争防止のため、原則としてその相続人全員から確認を取得するのが安全です。
6-3 税務の交差点 ― 解消行為が課税を招く逆説
- 贈与認定リスク:確認書なしに名簿だけを書き換えると、名義人から実質株主への無償譲渡(贈与)と認定され、贈与税が課されるおそれがあります。真正な名義の回復であることを示す資料(確認書+出捐の裏付け)が防波堤になります。
- 名義変更通達による救済:他人名義による財産取得は贈与と推定されるのが原則ですが(相続税法基本通達9-9参照)、いわゆる名義変更通達(昭和39年直審(資)22)は、名義人がその事実を知らず財産を使用収益していない等の場合に、最初の贈与税の申告・決定等の日前に真の取得者名義に戻したときは贈与がなかったものとして取り扱う旨を定めています。解消のタイミングと手順はこの通達の要件を意識して設計します。
- 買取り方式の逆説:真実は最初から実質株主の財産であるものに対価を払う処理は、①対価が時価より著しく低ければみなし贈与(相続税法7条)、②「買い取った」外形が名義人の株主性を事後的に承認したかのような証拠を作る、という二重の緊張を孕みます。金額とドキュメンテーションは税理士と共同で設計すべきです。
- 放置した場合の相続税リスク:名義株は実質所有者の相続財産として課税されます。申告漏れは追徴課税、隠蔽と評価されれば重加算税の対象になり得ます。逆に、税務調査で「名義人の株式だ」と主張して切り抜けると、今度はその名義人(の相続人)から民事上の権利主張を受ける火種を自ら育てることになります。
- 事業承継税制への影響:名義株が残っていると後継者への株式集中が完成せず、事業承継税制(納税猶予)の適用設計にも支障が生じ得ます。
6-4 名義株を放置した場合の紛争シナリオ
図解D 名義株を放置した場合の紛争シナリオ
図解D 時間の経過は、名義人を株主にしないが、実質株主の立証を奪う
まとめ ― 実務家のための行動指針
- 初動は類型判定。Ⅰ引受け時名義借りか、Ⅱ冒用か、Ⅲ承継取得の実体欠缺(Ⅲ-a不成立かⅢ-b虚偽表示か)か、Ⅳ単なる名義書換未了かで、要件事実も証拠収集も全く変わります。
- 7要素は間接事実群として使う。出捐偏重を避け、合意内容・時代背景・権利行使状況を一貫したストーリーに編む。
- 二層構造を忘れない。対内帰属の確認だけでなく、名簿書換・(譲渡制限株式なら)承認まで見据えた請求の組み立てを。
- 税務と民事の主張は最初から一貫させる。別表2・申告書は、味方にも敵にもなる最強の書証です。
- 時間は常に立証を破壊する側に働きます。名義借りを直接知る世代が存命のうちなら確認書1枚で解決できた問題が、相続を経るごとに、証人も証拠も失われた重い訴訟に変わっていきます。株主名簿と実態の突合(第5講)で名義株の疑いが見つかったら、今期中に着手する。それが本講の結論です。
明徳法律事務所(大阪市西区)では、株主構成の法的な確定(株主デューデリジェンス)、名義株の類型判定と証拠収集、確認書の取得交渉、税理士と連携した解消スキームの設計から、株主権確認訴訟・遺産確認訴訟の追行まで、会社側・名義人側のいずれの立場でもお引き受けしています。
よくある質問
名義株とは何ですか?
株主名簿上の名義人と、実質上の引受人が一致していない株式のことです。平成2年商法改正前の発起人7名要件の時代に、創業者が親族・知人から名前だけを借りて設立した会社に典型的に残っています。判例(最判昭和42年11月17日)は、名義人ではなく実質上の引受人が株主になるとする実質説を採っています。
名義株かどうかは、どのような基準で判断されますか?
裁判実務では、①株式取得資金の拠出者(最重要)、②名義貸与者と借用者の関係・合意内容、③取得目的、④配当等の帰属、⑤会社との関係、⑥名義借りの理由の合理性、⑦議決権行使の状況、という7要素の総合判断で認定されます。ただし7要素は足し算ではなく、「名義借りの合意」と「出捐の実体」を推認させる間接事実として機能します。
名義人が長年放置していた株式は、時効で名義人のものになりませんか?
なりにくいのが実務です。株式の時効取得には名義人自身による継続的な株主権行使等(自主占有に相当する状態)の立証が必要で、名前を貸しただけで何もしていない典型的な名義株では認められません。他方、時間の経過は真の株主側の立証を年々困難にするため、名義人有利に働くのは時効ではなく「証拠の風化」です。
名義株を解消するにはどうすればよいですか?
基本は①名義人(またはその相続人)から名義株であることの確認書(実印+印鑑証明書付き)を取得して株主名簿と法人税別表2を訂正する、②協力が得られなければ買取りを交渉する、③争いになれば株主権確認訴訟で決着させる、の三段構えです。名義人と連絡が取れない場合は所在不明株主の株式売却制度(会社法197条)等も利用できます。
名簿を書き換えるだけで解消すると、税務上の問題はありますか?
あります。確認書等の裏付けなしに名簿だけを書き換えると、名義人から実質株主への贈与と認定され贈与税が課されるリスクがあります。出捐の事実・名義借りの経緯を記載した確認書を作成し、真正な名義の回復であることを立証できるようにしておくことが不可欠です。名義変更通達(昭和39年直審(資)22)の要件を満たす形で解消時期・手順を設計することも重要です。
株主権確認訴訟は誰を被告にすればよいですか?
名義人が権利を主張していれば名義人を、会社が権利行使を拒んでいれば会社を、双方が争っていれば両者を共同被告にします。名義人に対する勝訴判決だけでは会社を拘束できないため、会社に対する株主名簿の名義書換請求を併合しておくのが実務の定石です。確定判決があれば単独で名義書換を請求できます(会社法施行規則22条1項1号)。
相続人の間で「この株は父の名義株だったか」が争いになっています。遺産分割調停で決着できますか?
調停・審判の中で家庭裁判所が帰属を判断しても既判力は生じません(最大決昭和41年3月2日)。帰属に争いがある場合は、地方裁判所に遺産確認の訴え(その株式が被相続人の遺産に属することの確認)を提起して確定させたうえで、遺産分割手続を進めるのが原則的な進め方です。
名義人が株主名簿の訂正に協力してくれません。どのような裁判をすればよいですか?
類型によって請求の構成が分かれます。設立・増資時の名義借り(原始取得型)の実質株主は、会社法133条の「株式取得者」に当たらないため、株主権確認請求とあわせて会社法132条1項に基づく株主名簿記載請求を単独で行うことができます(東京高判令和元年11月20日)。他方、贈与・譲渡による承継取得や名義書換未了の場合は会社法133条の名義書換請求によることになり、名簿上の株主との共同請求が原則ですが、確定判決や和解調書があれば単独で請求できます。構成を誤ると訴えの変更を強いられるため、初動の類型判定が重要です。
亡くなった創業者は生前「あの株は全部自分のものだ」と言っていました。それだけで名義株(遺産)と認められますか?
認められない可能性が高いです。裁判所は、名義株として遺産性を認めるには、被相続人が自己資金で取得したこと(取得原因事実)の立証を求めており、被相続人の認識や、名義人らを事実上支配していたという事情だけでは足りないとした裁判例があります(東京高判平成24年2月8日)。「誰がそう思っていたか」ではなく「誰の資金で取得されたか」を、預金取引履歴や払込資料などの客観証拠で示せるかが勝敗を分けます。
- 会社法〔e-Gov法令検索〕106条、121条、130条〜134条、136条以下、174条、197条
- 会社法施行規則〔e-Gov法令検索〕22条1項
- 民法〔e-Gov法令検索〕94条、163条、898条
- 相続税法〔e-Gov法令検索〕7条、相続税法基本通達9-9、「名義変更等が行われた後にその取消し等があった場合の贈与税の取扱いについて」(昭和39年5月23日直審(資)22)
- 最判昭和42年11月17日民集21巻9号2448頁他人の承諾を得てその名義で株式を引き受けた場合、名義人ではなく実質上の引受人が株主になるとした判例(実質説)
- 最大決昭和41年3月2日民集20巻3号360頁遺産分割審判における前提問題の判断に既判力が生じないとした決定
- 東京地判昭和57年3月30日判タ471号220頁実質株主の認定における考慮要素を示した裁判例
- 福岡高裁宮崎支判昭和60年10月31日判タ591号73頁有限会社につき原始定款記載者への帰属を認めた旧裁判例
- 東京地判平成23年7月7日判時2123号134頁、東京高判平成24年12月12日判時2182号140頁(コクド株主総会決議不存在確認請求事件)創業者の名義株の主張につき、間接事実を総合しても経験則上株主権を推定するに十分でないとして否定
- 東京高判平成24年2月8日(コクド関連遺産確認請求事件)名義株として遺産性を認めるには被相続人が自己資金で取得したことの立証を要するとし、被相続人の認識や支配の事実だけでは足りないとした判決
- 東京地判平成27年2月18日判時2267号114頁株式取得資金の拠出者を重視して実質株主を認定した裁判例
- 大阪高判平成29年12月21日金判1549号42頁特例有限会社につき、名義貸与人ではなく実質上の出資払込人が社員になるとした判決
- 東京高判令和元年11月20日金判1584号26頁設立・新株発行時に株式を引き受けて原始株主となる者は、会社法133条ではなく132条1項により、単独で株主名簿記載事項の記載を請求できるとした判決。原審は長野地裁佐久支部平成31年2月5日判決
- 島田志帆「原始株主の記載に係る株主名簿の効力 ― 原始株主の名義記載請求権に関する裁判例を契機に」立命館法学2021年4号、中村康江「他人名義による設立時発行株式の引受けをめぐる諸問題」立命館法学2023年5・6号
- 加藤真朗編著『非上場株式の相続と会社法 ― 評価・遺産分割・換価・経営参加の法律実務』(新日本法規、2025年)第4章、同編著『株主管理・少数株主対策ハンドブック』(日本加除出版、2022年)
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公開日 2026年8月24日/改訂日 2026年9月22日