ホーム連載コラム不動産オーナーの相続24講 ─ 第8講

『不動産オーナーの相続24講 ― 地主と大家の教科書 ―』【第8講】

生前贈与の新ルール ― 「駆け込み贈与」が効かなくなった

令和5年度税制改正で、生前贈与の常識が変わりました。

暦年贈与:持ち戻しが3年→7年へ

相続等で財産を取得した人が受けた贈与の相続財産への加算(生前贈与加算。相続税法19条)は、令和6年1月1日以後の贈与から段階的に「相続開始前7年」へ延長されます(完全に7年分となるのは令和13年1月1日以後に開始した相続から。延長された4年分については総額100万円まで加算対象外)。年110万円の基礎控除内の贈与でも、加算対象者への贈与は持ち戻されます。

相続時精算課税:年110万円の基礎控除が新設

相続時精算課税(相続税法21条の9以下)には、令和6年から年110万円の基礎控除が新設され、この範囲内の贈与は申告不要かつ相続財産への加算も不要となりました。一度選択すると暦年課税に戻れない点は従来どおりで、有利不利は財産構成と時間軸によって逆転します。

不動産の生前贈与は「コスト」に注意

不動産を贈与で移すと、登録免許税は税率2%(相続なら0.4%)、加えて不動産取得税もかかります(相続による取得は非課税)。税負担・持ち戻し・遺留分(特別受益として持ち戻し計算の対象。民法903条)を総合して設計する必要があります。

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