ホーム連載コラム不動産オーナーの相続24講 ─ 第15講

『不動産オーナーの相続24講 ― 地主と大家の教科書 ―』【第15講】

共有だけは避けよ ― 共有不動産が「開かずの金庫」になる理由

「とりあえず兄弟で半分ずつ」――遺産分割で最も後悔の多い選択です。

共有の意思決定ルール(令和5年4月改正後)

売却・建替えなど共有物の変更(軽微なものを除く)は共有者全員の同意(民法251条1項)、管理に関する事項は持分価格の過半数(252条1項。形状・効用の著しい変更を伴わない軽微変更も過半数で可)、短期の賃貸借(建物3年以内等)は管理行為として過半数で可能です(252条4項)。一人でも反対すれば売れない・建て替えられない。それが共有です。

時間が経つほど悪化する

二次相続で持分がさらに細分化し、固定資産税の負担や修繕をめぐる対立が始まります。出口は共有物分割請求(民法256条)で、協議が調わなければ裁判所が現物分割・賠償分割・競売による換価を選択します(258条)。さらに、遺産共有のまま10年が経過すると原則として法定相続分による処理となる規律(民法904条の3、258条の2第2項参照)も導入されました。共有は「問題の先送り」ではなく「問題の増殖」である――これが結論です。

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