祖父名義のままの山林、行方不明の叔父が持分を持つ貸地――所有者不明土地問題に対応するため、令和3年の法改正で道具が一新されました。
使える新制度(令和5年4月1日施行)
所在等不明共有者の持分取得・持分譲渡:裁判所の決定を得て、所在不明の共有者の持分を他の共有者が取得し、または不動産全体を第三者へ譲渡できます(民法262条の2・262条の3。持分の時価相当額は供託)。所有者不明土地・建物管理制度:裁判所が管理人を選任し、管理・売却を可能にします(民法264条の2以下)。
相続登記義務化と国庫帰属
令和6年4月1日から相続登記は義務です(不動産登記法76条の2。第2講参照。遺産分割がまとまらない場合の暫定対応として相続人申告登記〔76条の3〕があります)。また、相続した不要な土地を国に引き取ってもらう相続土地国庫帰属制度(相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律。令和5年4月27日施行)も始まりました。建物がないこと・担保権がないこと等の要件を満たし、審査手数料と負担金(原則20万円。区域・地目により面積に応じ加算)を納付する必要があります。「田舎の土地は放置」の時代は制度的に終わっています。