協議が決裂したら、家庭裁判所の遺産分割調停(家事事件手続法244条・別表第二事件)へ。調停不成立なら自動的に審判に移行します(同法272条4項)。
調停の「段階的進行」
実務は、①相続人の範囲→②遺産の範囲→③遺産の評価→④特別受益・寄与分→⑤分割方法、の順に論点を固めて進みます。不動産の評価で対立すれば鑑定に進み、期間は事案により1年を超えることも珍しくありません。前提問題(遺言の効力、名義預金、使途不明金の不当利得など)は、調停ではなく民事訴訟で決着させるべき場合があります。
不動産オーナー相続の勝敗を分けるもの
評価資料(査定書・鑑定書・収支資料)の質、代償金の資金計画の実現性、そして④の主張の証拠。とりわけ令和5年4月以降は、相続開始から10年経過で特別受益・寄与分の主張が原則封じられる(民法904条の3)ため、「時間を味方につける」戦術は通用しなくなりました。